「せせせ、雪くん!?」
「早く行こう一花、待ってたんだよ?俺」
「っ」
雪くん、嬉しそうな顔して笑うのずるい。
まだ幼さの残る顔でそれはずるい。
まさに、かわいいの極み……!!
なに、飼い主の帰りを忠実に待っていた小型犬ちゃんですか~~~!!!
「ほら、早く」
「わわっ」
しかし、そんなかわいさとは裏腹に、強引に引っ張られる私の手。
「あ、秋くんまた後で~!!」
「う、うん、よろしくね一花ちゃん!」
そのまま秋くんを残して、雪くんの部屋まで来てしまった。
部屋まで来ても私の手は雪くんに握られたまま……。
「あ、あの…雪くん……?」
「何で今日、いつもより遅かったんだよ」
「え」
雪くんから言われた言葉は、予想外のものだった。



