「遠慮せず入って!男だらけで汚いのは許して欲しいんだけど……」

「……」


そ、そういえば。

男の子の家に入るなんて、私の人生初のことだよね。

しかも、よりによって秋くんの……家。


き……緊張しないわけが……ない……!!


「……? どうしたの?」


いつまでも動かない私を見て、秋くんが不思議そうに見てくる。


「そ、その……」


早く、動かなきゃ。

おかしく思われるじゃない。

だいたいなによ、人のことあれだけ盛大にブスとか言ってきたくせに、今更そんなに優しくしないでよ。

一緒の中学校にいたことだって気づいてないくせに。

あの日、あなたにブスって言われた本人だってことすら、気づいてないくせに。


「……っ」


しっかりしなさいよ一花。

見返すって、決めたでしょ!!


「……お邪魔します……!」