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「ほんとごめんね、すみれ」

「いいのよ、早く行ってきな!せっかく月形くんといられるチャンスなんだから!」


先ほどの学校でのすみれとの会話を思い出し、重いため息が漏れる。

せっかくすみれと二人でパフェ、食べられると思ったのにな……。


ちらりと隣を見やれば、私がずっと憧れていた張本人の月形 秋くんがいる。

隣を歩いているのが、今でも信じられない。


秋くんの家は私の家とは反対方向だったらしく、初めて通る道を歩き出してしばらく経った。

その間も、秋くんのさすがのコミュニケーション能力のおかげで、気まずくならずに済んだ。


「でさ~……って、ああ、もう着いちゃったみたい」

「え?」


一軒家の前で秋くんが歩みを止めた。

つまり、ここが秋くんの……お家。


「一花ちゃんがいてくれたおかげで、帰り道もめちゃくちゃ早く感じた!ありがとう」

「っ」


だから、まだ秋くんのそのキラキラした笑顔には慣れてないんだってば~っ!!


「はい、一花ちゃん」

「!」


見れば、秋くんが家の玄関の扉を開けて待っていてくれている。