「頼むよ~、一花ちゃん代表挨拶してたよね?それって主席合格したってことじゃん!」
「え、いや……た、たまたまじゃないかな…?」
後ろからすみれが、「一花、そうなの!?」と小声で言ってくる。
ちょっと黙ってて、と視線で伝え、秋くんへと視線を戻す。
「それに、秋くんだって、そんなに成績悪そうには見えないんだけど……」
私のその一言で、秋くんはぱちくりと目を大きく開けた。
「ああ、俺もできればテスト前とかに教えてもらえたら嬉しいんだけど……」
「……え?」
ということは、勉強を教えるのは秋くんではない……ということ?
「実は、教えてもらいたい相手、俺じゃなくて……」
「秋くんじゃ……なくて……?」
秋くんは申し訳なさそうに笑って、続きを話してくれた。



