「あ、それと」

「っ!?」


袖をつかんだ手をぐいっと引っ張られる。

そして、体が一瞬浮いたと思ったら、なんと雪くんの顔が私のお腹の辺りにあって……

腰や太ももの辺りをぎゅっとされて、抱き上げられていた。


「せ……雪くんっ!?」

「きゃあっ!?」


これにはもちろん周りの女子生徒達からも悲鳴があがった。

もちろん私だって悲鳴を上げたかった。

恥ずかしすぎて浮いている足をばたつかせるけど、びくともしない。



「どうも、彼氏です」



「………っ!?」


下から、『でしょ?』とでも言いたげな、いたずらっ子のような表情で私を見上げてくる雪くん。


「~~~…っ」


恥ずかしすぎて、何も言えずに顔だけが赤くなっていく。


「じゃあ、そゆことでこれからよろしくね」


そう言って、雪くんは足を進めた。