これからは、こうして同じ学校で一緒にいられるんだ……


わかってはいたけど、いざ実感すると嬉しい反面、なんだか緊張して顔が熱くなる。


高校生の制服、似合うな。

初めて会った時みたいな、どこか幼さの残る雪くんも可愛かったけど

背が伸びてひと回り大きくなった体や整ったお顔は、間違いなくこれからの白南風高校の王子様の肩書きを背負うにふさわしい人だと思う。


「一花?」

「なんですか王子様!?」

「……はあ?」


気づけば、雪くんはすでに内履きに履き替えていて。

私だけずっと下駄箱の前で突っ立っていた。

しかも変なことを考えていたせいで雪くんを王子様って呼んじゃった……。


もちろん雪くんはきょとんとして私を見てくる。


「……ふ、」


けど、すぐ子供みたいに笑うところは変わらずかわいい。


「お手をどうぞ、お姫様」

「っ!?」


そう言って、雪くんは私に手を伸ばした。