月形くんが教室に向かうと、みんなもそれについて行くように教室へ向かった。
「……ふああ~…」
周りに人がいなくなると、一気に力が抜けていく。
「一花っ」
膝をついてしまいそうになった私を、すみれが駆け寄ってきて支えてくれた。
「すみれ……」
「ねえ、私何組だった!?」
「あんたねえ!」
「ふふっ、冗談! すごく頑張ったね、一花!」
すみれが私の頭をぽんぽんと撫でてくれる。
うん、私、頑張った。
メガネなしで、あのイケメン月形くんと言葉を交わした。
素晴らしい成長だと我ながら思う。
それに、わかったこともあった。
「すみれ、教室行こう」
「うん。ところで一花、私何組?」
「……A組」
喜びをかみしめるすみれと、二人で教室に向かった。
こんなので、入学式…大丈夫かなあ……。



