約束の期限は、今日だ。
「秋くん、今日は本当にありがとう!」
急いで雪くんの元へ向かおうとしたとき。
「一花ちゃん」
「っ?」
名前を呼ばれて、足を止め振り返る。
秋くんは、晴れやかな色を顔に浮かべていた。
「頑張れ!!」
秋くんのからのその一言で
張り詰めていた糸がちぎれたみたいに視界が揺らいだ。
「うん!! 頑張る!!」
とびっきりの笑顔で、そう答えてまた走り出す。
冷たい風が顔に当たるおかげで、さっき溢れそうになったそれはすっかり乾いてしまった。
これでやっと、きちんと向き合えるよ。
待っててね、雪くん。



