「一花は、雪くんのことが好きなのね」
「……やっぱりそう思う?」
「はあ!? 秋くん振っておいてそこの気持ち今更迷う!?」
うぐ……
やっぱりそう思うよね……
「でも、まだちょっと引っかかっているところもあるから……」
「何によ」
「私のこの雪くんに対する気持ちって、手はかかるけど弟がかわいくて仕方がないって感情だと思ってるんだけど……違うかな」
私には、弟や妹みたいな、自分より年下のきょうだいがいないから。
誰かに頼られることも今までなかったし。
だから、雪くんに頼られたり……私でも雪くんの力になれることができたのが嬉しかった。
秋くんも言ってたけど、もちろん雪くんと接する上で大変なところもあるけど。
だからこそもっと何かしてあげたい、力になりたいって思っちゃう…っていうか……
「……一花、あのね」
「ハイ……?」
すみれ、怒ってるかな……
中学校の時から大好きだった秋くんを、こんな簡単に手放すなんてありえないって、怒られるのかな。
あああ、考えれば考えるほどその通りすぎて何も言えないよ~……



