どうも、弟です。


何度考えてもわからない、なんであんなこと言っちゃったんだろう。

これじゃあ私、ただの嫌な女の子だ……!!


自分でも訳がわからなくて、でも、ただひたすらに雪くんから少しでも遠いところへ。

そう思って歩き続けていたとき。


「一花ちゃん」


秋くんが立ち止まって、私の名前を呼んだ。

気付けば人だかりから抜けた場所に来ていたみたいで、秋くんの声はしっかりと私の耳に届いた。



「俺と、別れよう」



―――ドーン…ッ!!!


ちょうど、秋くんの後ろで大きな花火が上がった。

こうしてお祭りに来て花火を見るなんて久しぶりで、きっと見たら感動するだろうなって思ってたけど。


「……え…?」


秋くんのその言葉で、私は一気に体の熱がすううっと下がっていくのを感じた。


「……秋、くん……」

「ごめん、花火を見てからって、約束したのに」

「……っ」


やっぱり、私の気持ち……気づいて…