どうも、弟です。

***

「じゃあ、一花ちゃん」

「……ちょっと、ちょっと待って」

「あはは、これで7回目だ」


雪くんの部屋の前で立ち尽くす私と秋くん。

このやりとりをしたのは、秋くんによるとどうやら7回目らしい。


「……だって、いざここに来ると緊張しちゃって……」


そもそも一か月ぶりに来たってだけで緊張しちゃう。


……この部屋に、雪くんがいる。


なんて話す?

なにから話す?


この間はごめんね?

いや、悪いのは雪くんだし??


「……考えてても、無駄かも……」

「そだね、時間ばっか過ぎていくね」


隣では、秋くんが困ったように笑っている。

せっかく雪くんの部屋の前までついてきてもらったのに、いつまでもこの調子で申し訳ない……。


「……よし、頑張る…!!」