「それで、本当は嫌なんだけど、他に頼める人もいなくて……一花ちゃんに、またお願いしたいんだけど……」
「……」
「やっぱり、嫌…？」
座ったままの私の顔を、しゃがんでのぞき込んでくる秋くん。
嫌……なんかじゃない。
でも、あんなふうに家を飛び出してきちゃった手前、雪くんに今更会わせる顔がない…。
「ずるいこと言うけど……俺は一花ちゃんが『嫌だ』って言ってくれた方が、ありがたいんだけど」
「え…っ」
それは、本当にずるいよ秋くん。
私に選択させるなんてずるい…。
「……雪くん、怒ってない？」
「え？」
「もう私、雪くんに嫌われちゃったかもしれない……」
涙がじわじわと溢れてくる。
コレに関しては、誰がなんと言っても私に対してブスって言った雪くんが悪いよ。
でも、私もその後ひどい態度で部屋を出ちゃったし……
まるで雪くんを避けるみたいに、秋くんたちの家には近寄らなくなっちゃったし…。
