「はあ…っ、はあ……っ」


なにあれなにあれなにあれ……!!


あれは、本当に月形くんなの!?

私が今まで憧れていた月形くん!?


ええ!?


「……っ」


いつもキラキラ輝いて、校内一のイケメンで、誰からも好かれる人気者。

それが、私の知っている月形くん。


でも、今日でそれはガラガラと音を立てて全部全部なくなった。


……あれが、本当の月形 秋くん……!!


「っ、ただいま!!」

「おかえりー」


家に着くやいなや、足早に階段を上がって自分の部屋へ向かう。


「一花?何かあったのー?」


階段の下から心配そうなお母さんの声が聞こえる。


「大丈夫!」


そんなお母さんにそう返事をしてから、自分の部屋へ入って乱暴に扉を閉めた。