私はそれを受け取り、ゴクリと唾を飲み込んでから、その場にすとんと座った。

雪くんも私に合わせて、向かい合う形でその場に座る。


答案用紙を持つ手に、どうしても力が入ってしまう。

だめだ…緊張してなかなか見ることができない……!!


「…で、でもよくテスト当日に返却してくれたね……?」


思わず雪くんに話題を振ってしまった。

しかし雪くんは、いたって落ち着いた様子で私を見つめている。


「なんか、珍しく俺が良い点数だからって、センセー達みんな真っ先に俺の答案だけ採点したって。なにやってんだか」

「先生達……ありがたく拝見させていただきます……!!」

「いいから早く見てよ」


深々と頭を下げたあとに、ゆっくりと答案用紙を一枚ずつめくっていく。


「!?」


数学……100点!!?


「ちょ、雪くんすごいっ!!」

「はあ、喜ぶのはまだ早いでしょ」

「う、うん……!!」


でも、勉強を始めた当初一番成績の悪かった数学(当時10点前後)が、まさか100点だなんて…。

これは幸先いいのでは……!?