気づけば私は、二人の少年の間に入っていた。


「だ、だめ!!」

「ああ!?」

「んだテメエ!!!」


この至近距離だとよくわかる。

二人とも、顔も着ているジャージやパーカーも泥や血で汚れてしまっていた。


特に怪我がひどいのは、さっきまでうめき声を上げていた少年だ。

ツンツンとした短い金髪で、目はつり上がっている。


もう一人は、ふわふわとした暗い茶髪の………


「……っ!?」


え、この人………


「月形くん……!?」

「!?」


う、う、嘘でしょ……!?

今日、あんなにクラスのみんなと仲良くしていた月形くんが。

いつもキラキラしている校内一のイケメンが。


「こんなところで…ケンカなんて……」


じゃあ、私が今まで憧れていたあなたは、何だったの!?