「さすがにこれ以上はな」
執拗に首筋を攻めたあと、名残惜しそうに私の上から退く新さん。私は目が潤み、顔もきっと真っ赤だ。現実なのか夢なのか、ふわふわした感覚が抜けず思考もまとまらない。
そんな私の腕を引きながら優しく抱き起こしてくれる仕草に、思わずキュンとする。斜め下から見上げる顔も秀逸だ。どの角度から見ても完璧で隙がない男性。
私はシワになった寝衣を手で直しながら、パッと目をそらした。
「退院したら覚悟しておけよ」
男性経験がないとはいえ言葉の意味は理解できる。無意識に頬がじんわり熱くなって、クラリとめまいがした。このままだと心臓が持たないかもしれない。ううん、すでに限界。
たとえば気持ちを伝えたとして、新さんはどう返事をするだろう。好きだと言われたけれど、私にはそうだとは思えない。自信がないから、新さんの態度ひとつですぐに不安になる。
私をからかっているだけ?
それとも本気で好きだというの?
消灯時間をすぎたあとの室内はシーンとしていて、嫌でもいろんな考えが浮かんでくる。
答えにたどり着かないまま、眠れない夜をすごすのだった。



