「…俺…先生と付き合ってた時があってさ…俺、初めてだった…年上の人に本気で好きになったの…でも」

佐賀原くんはあたしの手を放して今度は、あたしの手を握った。


「簡単に捨てられた…。。」


温かくて大きな手なのに……


今はその手が凄く冷たく感じた…


「俺、あの時すげぇ悔しかった…。でも、ずっと考えてたら前に進めないからわざと先生にあんな態度してた…でな?この前先生に呼び出しされたんだ。」


あたしは、片手を佐賀原くんから離してその手を佐賀原くんの背中にまわした…

「そん時…伊加と千野先生の邪魔をして欲しいって言われた…」


「……やっぱり……でも、何で瀬戸先生が好きなのに…あたし…「好きになったから…」


佐賀原くんは、一旦あたしから手を離してあたしを見下ろした。


「だって…好きになっちまったんだから仕方ねぇだろ?」


「何で?意味分かんない…」


「だって!いつの間にかお前のことしか頭になかった…」


そう言ってあたしの頬に触れた…