何気なくスマホの画面に視線を落とした。
今の初音には眩しすぎるくらいキラキラとしたインターネットサイト。
まるで、自分に欠けているモノに手を伸ばすかのように画面をスクロールした。

“レンタル彼氏”

指でタッチすると幾人もの男性の顔写真がスマホ画面いっぱいに並んだ。

“あなた好みの男性と、素敵な一時を……”

初音は興味本位で多数の顔写真に目を通す。
確かに、こんなイケメンと映画みたいな時間が過ごせたら素敵だろうな。
それが、たとえ泡沫(うたかた)のような淡く(もろ)い時間であっても。

「私だって少しくらい――…」

初音は溢れる好奇心とまとわりついて離れない人恋しさから、一時限りのレンタル彼氏を依頼した。