谷川は俯く。

このまま、高校も辞めるように言われてしまったら、どうすれば良いのだろう。

春香の援助だけでは、とうに足りない。
それならば、やるしかない、と思った。

―春香だけから金を貰おうと考えるから、足りない、ならば、増やすしか、ない―

ポケットから、スマートフォンを取り出す。
ずっと前の、旧い機種。ガラスは割れてしまって、随分と使うのに苦労する。

メッセージアプリ、連絡先、知っている名前を辿る。

―誰ならば、自分を買ってくれるだろうか。