―手切れ金

そう書こうとして、やめた。


いつかもし、心が本当に苦しくなったとき、その時の為に。

春香はそれを、箱の奥底に入れておく。

いつ必要になるか分からないそれを。
願わくば、まだその日が来ないことを祈りながら。