『春香って、なんかさ………人とか、買っちゃ駄目だよ……』

ふざけながら話していた、その最中に、友人の一人がそう、言った。

『そんなことしないわよ、馬鹿』

そう、思っていた。
思っていたはずだった。


「はい。これ」

そう言って、いつものとおりに、金の入った封筒を手渡す。

「サンキュ」

そして、いつものとおり、心の籠もっていないお礼と、なんの感情も込められていない愛の言葉を囁かれる。