「やっぱり、似合わないなぁ………」


箪笥の肥やしになった、ワンピース。
使いかけの化粧品。
無造作に置かれた、アクセサリー。

本棚の奥に眠っている、ロマンスもの。
部屋の隅に積まれた、埃を被った少女漫画。
何枚か、なくしてしまった、占いのカード。

何もかも、似合わない。
『女の子』なのは、似合わない。

ショートカットだった髪を、ボブにした。
メガネだったのを、コンタクトにした。
少し、自信がついた。

でも、姿を見せるのは、怖かった。
マスクをした。
とても、落ち着いた。

臭いものに蓋をするように。
嫌な自分を、全部隠して。