「………」

夜の公園。
吹く風が冷たくて、身体の芯まで凍ってしまいそうだ。

自販機で買ってきた、紅茶のボトルを手に、そっと、ベンチに腰掛けた。
冷たい。

やはり、コートを着てくるべきだったと、後悔する。
紅茶ごときじゃ、少しも和らがない。

(どうして、こんなことしてるんだろう……)

今更になって、独り暮らしは許さないと、アパートに父がやって来た。

居座られるのが嫌で、酒に酔って潰れていたのをいいことに、こっそりと抜け出した。

(莫迦…)