家にいても、いなくても、変わらない。
自分は、居ないことにされているから。

彼は、そう言った。

高橋の家は、再婚したらしい。
新しい妻は、前妻の息子が気に入らないのだとか。

「アンタ、よくそんなんで、明るくしていられたわね。私なら、無理よ」

「誤魔化すのは、上手いかもね。こんなのだからさ、春さんだって、そうでしょ?そんもんだよ」


『ねー、高橋。貴方、女子にモテるでしょ』

『そんなこと、ないない』

『本当に?』

『あー、でも、最近、いるかな。長岡さん、っていうんだよね。可愛いこだよ』