そう、喜ぶべきなのか。

『俺さぁ、金に困ってるんだ』

呼び出された日、そう言われた。

『だからさ、俺を買いませんか?』

何を言っているのか、分からなかった。
好きだった人を、買う?だなんて。

『お前、俺のこと………』

それ以上は何も言わなかった。
代わりに、抱き締められた。

その後、どれくらい時間が経ったのかは知らない。

だが、その時、確かに『YES』と言ってしまったのを、覚えている。