机の脇に置いてある、ゴミ箱を見下ろす。

そこには、前に美久が使っていた愛用品が捨てられていた。
総て、その、想い人の、為に。

(疲れる)

想い人の好きな人と、自分は、明らかに違う。
正反対であり、出来も、月とスッポン、という言葉が、きっと相応しい。

だから、その女に近づく為。

そして、想い人の気を惹く為。

自分と、いう者があってはならない。

どうせそれは、価値のあるものでは無いから。