「お前なんか………」

その後のセリフは、覚えていない。
それだけ、衝撃的で。

西岡春香は目を覚ます。
まだ、外は薄暗い。
時計は、四時半を指している。

そのまま、倒れ込んだ。
身体が怠い。
こんな感じがするのは、随分と久しぶりだ。

手首を見る。
もう、あの時につけた傷は無くなっていた。

ふう、とため息をついて、瞼を閉じた。
もう一度、眠りにつく。
何も、考えたくなかった。