「なにやってんの」

朝。二人きり。教室。

「英語。宿題」

素っ気なく、それだけ答えた。
そこには、クラス一人気な男、高橋囿也が立っていた。

「その為にこんな時間に?いつも遅刻スレスレなのに」

事実である。それに、宿題なんかやったことがない。

「アンタこそ、なにやってるのよ。余裕ね」

高橋はケータイを指差す。ゲームをしていたらしい。

「お前なぁ。一限だぞ。間に合わねぇよ」

「煩いなぁ。いつもは愛衣(めい)の、写してんの」