使い終わった染料ボトルを開けて中身を捨てる。
 ボトルを薬品槽に投入し、キャップも同じ薬品の入ったバケツへ入れる。
 時間をおいて、それぞれお湯ですすいで逆さまにして乾かす。
 乾いたボトルを棚にしまう。

 あと、棒の両先端に針のついた伸子(しんし)という道具があるのだけれど、反物にしわを寄せないために使用して曲がったそれをお湯で煮てまっすぐに伸ばす。

 ーーそれが今の私の仕事だ。


 この洗い場はパートのおばさん二名で回していたのだけれど、一人が怪我をしたために人手が足りなくなって、私が呼ばれたのだった。

 ここでは立ち仕事が多い。座れるときは座って、と言われている。

 だけど、分担作業のもうお一人、母親くらいの年齢のその人が立ち仕事をしているときに私だけ座るのも気が引ける。
 変に無理をして腰を痛めてもつらいから、がんばるのもほどほどに、とは思う。頭では。