私は膝で立ってすすみ、岸さんの首に抱きついた。腰に腕が回された。拒まれないとわかるともっと甘えたくなった。
「いちゃつきたい」
「どんなふうに」
頬と頬が触れて離れる。岸さんからのこれ以上の接触はありませんと言っているようでもあった。見つめても表情からはなにも読みとれない。私は困惑した。
勇気を奮い起こすしかなく、私からそっと唇を重ねた。震えた。そしてすぐに岸さんの肩に顔を埋めた。心臓が暴れ狂っている。
ふっ、とくっついているその人から笑う気配があり、抱きあったまま体勢が変わった。終わらないんじゃないかと思うほどの長い口づけがあった。互いの息遣いだけが部屋に満ちる。
床に座ったまま枕代わりのソファから頭を起こしてみると、時計は驚くほど針を進めていた。日付が変わる。
「いちゃつきたい」
「どんなふうに」
頬と頬が触れて離れる。岸さんからのこれ以上の接触はありませんと言っているようでもあった。見つめても表情からはなにも読みとれない。私は困惑した。
勇気を奮い起こすしかなく、私からそっと唇を重ねた。震えた。そしてすぐに岸さんの肩に顔を埋めた。心臓が暴れ狂っている。
ふっ、とくっついているその人から笑う気配があり、抱きあったまま体勢が変わった。終わらないんじゃないかと思うほどの長い口づけがあった。互いの息遣いだけが部屋に満ちる。
床に座ったまま枕代わりのソファから頭を起こしてみると、時計は驚くほど針を進めていた。日付が変わる。

