「はあ? えっ、えっ……どうしたの?」
いるはずのない岸さんが突如現れて、私は本当に驚いた。ここは住んでいる街とは離れた場所にあるホテルだ。車で一時間くらいかかる。
「迎えにきた。披露宴はもうお開きなんだろ」
もしかしたらそうなの、と思わなくもなかったけれど、本当に迎えに来てくれるとは……状況が飲み込めるような、飲み込めないような。
宏臣の結婚式が今日だとは話してあったし、宴の最中に花嫁の着物姿の動画を送ることは送った。それがわざわざこうして駆けつけた理由、なんだろうか。
私がぼんやりしているうちに、岸さんは潮崎くんや私の友人たちに手短に挨拶をしてしまった。
女友達は私の彼氏の存在だけは知っていたから、実物を目の前にきゃあきゃあと盛り上がった。
「想像より男前だった。地味にショック」
「実在したんだ」
「二次会? いいよいいよ、気にせず結衣のこと浚っちゃって!」
「末永くお幸せに」
好き放題言っている声を背中で聞きながら、岸さんと場を離れた。
手荷物を車の後部座席に置き、岸さんに助手席のドアを開けてもらう。
いるはずのない岸さんが突如現れて、私は本当に驚いた。ここは住んでいる街とは離れた場所にあるホテルだ。車で一時間くらいかかる。
「迎えにきた。披露宴はもうお開きなんだろ」
もしかしたらそうなの、と思わなくもなかったけれど、本当に迎えに来てくれるとは……状況が飲み込めるような、飲み込めないような。
宏臣の結婚式が今日だとは話してあったし、宴の最中に花嫁の着物姿の動画を送ることは送った。それがわざわざこうして駆けつけた理由、なんだろうか。
私がぼんやりしているうちに、岸さんは潮崎くんや私の友人たちに手短に挨拶をしてしまった。
女友達は私の彼氏の存在だけは知っていたから、実物を目の前にきゃあきゃあと盛り上がった。
「想像より男前だった。地味にショック」
「実在したんだ」
「二次会? いいよいいよ、気にせず結衣のこと浚っちゃって!」
「末永くお幸せに」
好き放題言っている声を背中で聞きながら、岸さんと場を離れた。
手荷物を車の後部座席に置き、岸さんに助手席のドアを開けてもらう。

