朝食を取り、だらだら過ごして、岸さんにつきあってショッピングモールへ行った。
 昼食を済ませてから目当ての店を覗く。
 岸さんがスーツケースを買った。

「旅行ですか」

「出張用。そろそろ新調したくて」

 岸さんが車に置きに行っているあいだ、目についた店を物色する。
 クリスマスのお返しができればと思ったけれど、これというものに出会えなかった。
 年賀はがきに年越しそばにお節料理。店は完全に年末年始の仕様に切り替わっている。
 冬休みを迎えたファミリー層の姿も多い。

 岸さんはお年玉袋も買った。私は買っていない。家を出た兄が帰省するけれどまだ独身だし、子連れで挨拶まわりにくる親戚も近くにはいないからだ。

 岸さんが手を繋いできた。

「この休暇中にもう一回くらい会おう」

「いいですね。いつにします?」

 できればそう日を置かない約束がいい。そうしたら一回といわずまた会える。

 どうやって過ごすか未定でも楽しみだと言ったら、岸さんはどんな顔をするだろう。
 ……するだろうもなにも、今横にいるんだけれど。