てかさ、
オレの中の記憶のフィロスは
こんな、
無表情じゃねぇし、
そんな、重大犯罪を犯すような奴じゃなかったんだが・・・

てか、何やったんだろう。

はてな 首をかしげると
ウルーチェ先生が優しく「チェース。」
と声をかけた。

「はい。ウルーチェ先生。俺、邪魔じゃないですか?」

マジで。
俺とジョイル
なんでいるのここに。



「ふふふ。騎士ダイナラス。落ち着け。
 ・・・・騎士フィロスよ。

 紹介しようか、彼は冒険者のチェース。
 後ろに控えているのはジョイル=シャボンワーク。」

「は・・・じめまして、でいいのかな?
 チェースです。」
「ジョイル・・・シャボンワークです。」

ジョイルも軽く頭を下げる。

騎士フィロスは
ふぅ、と俺とジョイルを一瞬見る。

あ、目が合った。気まずい。

「・・・・・・・賢者ウルーチェ様。
 私は、もうすでに騎士ではありませんし
 家名も捨てております。なぜこの子たちと引き合わすのです?」

こんな、子供を?
という声が聞こえてきそうだ。

顔をしかめた騎士フィロス。あ、もう騎士じゃないんだっけ。

顔をしかめても
整ってんな!

あぁ、でもなんだろう
魔力の輝きがくすんでいる気がする。


ウルーチェ先生は楽しそうに
俺を見て「いいぞ。」
とほほ笑んだ。

えーー。いいぞ、って。

「・・・ウルーチェ先生。変身とけってこと?
 この間も結局「騎士」が飛んできたじゃん…」
「ははは。警戒するなって
 ここは、周りに結界が満ちているから大丈夫だ。
 魔力も混ざり合っているからの。バームスぐらいのレベルじゃなきゃ
 誰も、気づかぬよ。」


えーー。ほんとかよ。



はぁ、と少しため息をついて
ちらり、と 目の前の木の椅子に座る 騎士フィロスを見て、
観念して髪をかきあげる。

しょうがないなぁ


少し、姿勢を正して
言葉に少しばかりの魔力をのせる。

「騎士 フィロス。」

あ、結構魔力使うのね。
言葉に合わせtキラキラと空中に光が反射する。

空気が変わる。

騎士フィロスはきょとんと、一瞬 見とれて

え?と 俺を見つめ直す。

俺の後ろに控えているジョイルは、
姿勢を正す。俺を心配しているのだろう。

ダイナラスさんはなんだ?
と、ちょっと 顔をしかめた。

ウルーチェ先生は、
耳のを指差して「取れ」とにっこり笑う。


はぁ。・・・
「ウルーチェ先生。責任・・・よろしくお願いしますよ!?」
「任せとけ。」

男前の返事を頂けたところで、
俺は、耳飾りをはずした。

ちょっとしたキラキラとともに
俺の髪色が、瞳が・・・
そして、俺を包む魔力が、変わる。