私と聖夜の間に割り込んで歩く百合ちゃん。



やることがやっぱり可愛いわ。




「百合、離れろ。 」



聖夜が私の腕を掴むと、百合ちゃんがそれを阻止する。



それの繰り返しで、笑いが止まらない。



「美莉は離れるな。」



聖夜、もう少し大人になろうよ。



「百合、うざすぎ。帰れよ。」



まぁ、まぁ、落ち着きましょう。



仲良く歩くぐらい、なんの問題もない。



「百合、帰ろう。店長に失礼だよ。」



佳奈ちゃんは大人ですね。



百合ちゃんは子供みたいで可愛い。



「やだ。どこまでも邪魔してやる。」



百合ちゃんはずっと文句言いながら、私たちの車に乗り込んで来た。



この後、大丈夫なのか、少し心配になったけど、なるようにしかならない。



気軽に考える事にした。



圭吾君もいる訳だし、心配はいらないだろう。



「心配するな。美莉とイチャイチャしてる所を、百合に見せつけてやる。」



聖夜、それは逆効果だと思う。



マンションに着いてからも、聖夜は私にべったりで、百合ちゃんの怒りは爆発寸前。



それをなだめる佳奈ちゃんが可哀想。



18時過ぎに圭吾君と彼女が来た。


彼女の名前は北島真弥さんと言って、背のスラリとした美人。


圭吾君がすごく彼女を、大切に思ってる事が分かる。


その真弥さんが聖夜に聞いた。



「聖夜君の彼女はどの人なの。」



聖夜の近くに女が三人もいるのだから、そう思われても仕方がない。


百合ちゃんが彼女は私ですと言って、聖夜に抱きついた。



百合ちゃん中々やるね。



関心してる場合ではなかった。



「俺の彼女は美莉だよ。」



あははと笑ってごまかした。



なんだか、気まずいです。



堂々と聖夜の彼女ですと、言えないのか。



自分でも分からない。


自信がないのは確かで。