結局不安は募るばかりで、お試しで付き合う意味が分からなかった。



「聖夜に聞きたいんだけど。何で私なのかな。聖夜の回りには可愛いくて若い女の子が、たくさんいると思うの。」



聖夜は何も言おうとしない。



「教えてほしいのか。」



私は頷いた




「美莉のすべてが俺の理想のタイプ。見た目もそうだけど、俺が守ってやりたいと思うし、そばにいたいんだ。12才差なんか関係ないよ。」



聖夜の思いは普通に嬉しかった。



年下のイケメン君の告白は、誰でも嬉しく思うんだろうけど。



なんて、他人事みたいに思ってしまう。



聖夜が信じられない訳でないけど、素直に頷けなかった。


私はどうするべき。



聖夜の優しさに甘えてしまっていいの。


でも、聖夜を幸せにできる自信もなかった。


「難しく考えるのはやめよう。軽い気持ちで付き合えばいいんだからさ。」



そんな簡単な事ではないと思うが、聖夜のペースに流されてしまいそう。



「美莉といるのが楽しい。美莉も同じ気持ちならそれでいいだろ。」



又、聖夜に惑わされてしまいそうだ。



楽しければいいのかな。



「又、難しい顔して、俺に美莉が必要なように、美莉にとっても俺が必要だと思えるまで頑張るからさ。」



聖夜の真っ直ぐな気持ちが、固くなに閉じた心に少しだけ、溶け込んで来た。


聖夜を信じる事は悪くないかも知れないけど、不安は気持ちは消えない。


それでも、一歩前進出すべきなのかも。


半歩でもいいから、少しづつ前に進みたいと思った。


聖夜を信じてもいいいですか。


聖夜を見つめた。


恋に臆病になってた30女が一歩前進したってことかな。


久しぶりにドキドキときめいてしまった。