聖夜の視線が怖くてたまらない。



「俺は美莉がいいの。美莉の為に、何でもしてあげたいって思う。」



聖夜の言葉を、本当に信じていいの。



信じて、又裏切られたら、私にはもう先がないのだ。



聖夜は若いからなんとでもいえるけど、私は違う。



どうしても臆病になる。



私が5才若かったら、もう少し前向きな考え方が出来たのかも知れないけど。



聖夜の気持ちを知りたいけど、その気持ちに答えられないと思ってしまうし。


30女は本当にめんどくさい。


今まで年なんて気にしなかったのに、聖夜と出会ってからは、年令ばかり気にしてる。


「美莉は何を考えてるの。 」



聖夜の真剣な顔を見れば、いい加減な気持ちでない事が分かるけど、12才差は大きな壁。



「一人で考え込むのはやめれくれよ。」



なんか、又泣きそう。



もう、泣きたくなんかないのに。



聖夜が悪いんだからね。



「美莉なんで泣くんだよ。俺が泣かせてるのか。」



そう、聖夜のせいだ。



聖夜のバカ。


聖夜なんか大嫌い。


お願いだから、もう私に関わらないでほしい。


気持ちのバランスがとれない。


こんなの私らしくないや。


聖夜に心を乱されるのが悔しかった。