5年ぶりのキスに酔いしれてしまったのか。


「美莉って以外と大胆なんだな。」



恥ずかしくて、聖夜から離れた。



「飯くいに行くぞ。」


聖夜が向かった先は、オシャレなパスタ店で、そこは聖夜のお兄さんのお店だった。



聖夜より背は低いが彼もイケメン。



天野流夜24才。



「聖夜が彼女連れて来るなんて始めてだな。彼女は聖夜のタイプだもんな。」



ずっと私を見つめる流夜さん。



「彼女じゃないです。」



「明日は彼女とデートなんだ。兄貴車貸してよ。」



「構わないけど、どっちの車?外車がいいのか。」



外車はご遠慮します。



え、明日は聖夜とデートな訳ですか。



違うでしょ。



何で、デートになってるのよ。


訳が分からない。


完全に聖夜に振り回されてるわ。



「外車じゃなくていいよ。今日何時に終わる。」



「23時だけど何? 」



「美莉の車で来たから、こいつマンションまで送って行くからさ。帰りに俺を迎えに来てよ。」



「了解。終わったら携帯に連絡する。」



10時過ぎにお店を出て、聖夜はコンビニに寄って何かを買って来た。



お兄さんのお店を出てから、聖夜と会話をしていない。



何を話していいのか、分からない。


このままでは、かなり気まずい。


思わずため息をついた。



はぁー。


ため息をつくと、幸せがにげると言うけど、私の幸せなんかどこにもない。


幸せってなんなのか、忘れてしまった。