やはり、私の車を運転するつもりですか。



「美莉、早く乗って。 」



「聖夜、バイクは?」



「圭吾さんに貸すから、圭吾さんのバイク調子悪いみたいでさ。この後彼女に会いに行くんだって。遠距離恋愛してるらしいよ。」



なんだ、圭吾君彼女いるんだ、残念。



「おい美莉、何考えてる。」


「別に何も、ただ圭吾君に彼女いたんだなって思っただけ。」



「おまえなぁ。美莉こっち向けよ。」



「聖夜、何? 」



「圭吾君が好きな訳。」



べつに圭吾君が好きとかじゃなくて、圭吾君みたいな人がタイプかもと思っただけです。



聖夜は何を聞きたいのかな。


首を傾げて聖夜を見ると。


「おまえその目反則。」



だからもうなんなのよ。


反則なんてしてません。


喧嘩したくないのに、聖夜が悪いんだからね。


「いいからキスさせろ!」



いきなり顎をもたれ、私の唇にキスをした。



あまりの突然なキスに目は開けたまま。



「美莉、目閉じて。」



聖夜の強引なキスを拒むどころか、聖夜の背中に腕を回して、キスに答えていた。


私、どうしちゃったの。



どうして、聖夜とキスなんかしてるのよ。



分からない。


自分の気持ちが分からない。


もうやだよ。


多分、顔が真っ赤だ。



聖夜は、どうしてキスなんかするの。


聖夜の気持ちが見えない…………