一番小さな制服でも、少しダブついたけど仕方ない。



たばの検品をして、トラックで運ばれたお弁当や他の商品のチェックをして、棚に並べる単純な作業だが、かなりの重労働。


棚に並べる前に、先ずは棚の埃を取り除き、新しく来た商品を奥に並べなければならない。


掃除が苦手な私にとっては、これも大変な仕事で、聖夜みたいに早くは出来ない。



背が低いから、上の段には手がとどかないから、脚立を使って補充。


聖夜が下から覗いてると勘違いして、文句を言おうとしたら、聖夜は私が脚立から落ちないように、支えてくれていたのだ。


冷蔵庫にジュースとお茶を補充する時も手が届かず、結局苦手な脚立に乗る事になってしまった。



商品の補充の合間を見て、唐揚げやコロッケなどの揚げ物をしたり、おでんや肉まんの準備もしなくてはいけない。



夕方18時を回った頃、私はフラフラで立っているのもきつかった。



バックルームで休憩していると、百合ちゃんはもう終わりだったらしく、私に声を掛けて来た。



「お疲れ様でした。」



「あんたは店長って言ったって、親の力じゃん。あんまりいい気にならないでよ。聖夜に手だしたら、あんたに何するか分かんないからね。30才のオバサンは大人しくしてな。」



怖いんですけど。



百合ちゃんにそこまで言われたくないけど、ぐっと我慢した。


揉める事は極力避けたい。



ため息つき顔を上げると、百合ちゃんの後ろに聖夜が立っていた。



聖夜の顔がかなり怖いです。



お願いだから、このまま穏便に済ませてほしい。



聖夜何も言わないで………



どうか、聖夜の爆弾が落ちませんように。


手を合わせて祈った。