元気のない美莉を、無理やりバイクに乗せコンビニへ向かった。



ヘルメットでつぶれたお団子頭をなおす。



「ほら、行くぞ。」



聖夜に手を握られて裏口から入ると、驚いた顔の圭吾君がいた。



昨日喧嘩した二人が、一緒に出勤だなんて。



「店長は又頑張るみたいですよ。俺たち仲直りしましたから、圭吾さん心配しなくても大丈夫です。」



「上手く言えないですけど、もう一度頑張ってみます。」




「分かりました。教育係を変えましょうか。」



「美莉、俺でいいよな。明日店長が休みもらいたいそうです。店長は何も食べてないみたいなので、ここの弁当食べさせてもいいですか。」



勝手に仕切る聖夜に、何も言い返せない。



「店長がそれでいいなら構いませんよ。明日休むのも仕方ないですね。」


「ルール違反はしなくないので、お金を払って、早めに弁当を食べて下さい。」



朝からこんなに大きなお弁当を食べれないと思ったのに。



「腹減ってたら仕事にならないからな。」



こののり弁、初めて食べたけど、うまいわ。


癖になりそうな味だし。


売上第一かな。


店長なら、そのくらいの事も知って置かないといけないと思った。


かなりやる気が出て、自然と顔がにやけてしまう。



前向きに、何でも覚えてみようと思った。



早く仕事を覚えて、聖夜と同等になりたい。