もしかして、私はいない方が良いのか。


私の動揺が分かったようで。



「美莉もいて。」


「聖夜と二人がいい。」


聖夜が大きなため息をつく。


「この人はここの店長で、俺のだいじな彼女。」


彼女に睨まれる。


怖い。


「なんで、こんなおばさんが聖夜の彼女なの。聖夜の彼女はいつも綺麗な人だったのに。チビでブスじゃん。」


おばさんで、チビでブスね。


仕方ないけど。


フー。


「俺のだいじな彼女におばさんはやめてくれるかな。美莉は可愛いから。」


「おばさんはおばさんじゃん。」


まぁ、そうだね。


「絢香がなんで俺の元カノなんだよ。」


「聖夜はいつも優しくて、デートしてくれたから、彼女だと思ってた。」


やっぱり、付き合ってたの。


「あれはデートなんかじゃないぞ。一緒に映画を見たり、遊園地に行っただけだ。」


それはデートと言うんです。


聖夜は何も分かってない。


好きな男の子と映画を見たり、遊園地にいけば、それは絶対デートに間違いないから。


頭が痛くなった。


この先何人の元カノが会われるか、不安だ。


嫌、これは犯罪。


この場から逃げるしかないと思い、事務所を出ようとすると、聖夜に首根っこを捕まれた。


「逃げる気。」


そうですけど。


離しなさいよ。


私は関係ありません。