聖夜に見つめられたまま。



「泣いてるの? 」



さっきから何度も言ってるのに、何でわかってくれないの。



涙は出ていないし、絶対泣いてなんかいません。



もう、嫌。



怒れて本当に泣きそうになった。


何でこんなガキに、ここまで言われなきゃいけないの。



聖夜を睨みけると、本当に涙が溢れてしまった。



泣きたくないのに、何で涙が溢れるのよ。



聖夜が私の手をつかんだ。



「いいから、こっち来い。」


聖夜に引っ張られるようにして、バックルームに入った。



「急に泣くなよ。俺が虐めたみたいじゃないか。」



「聖夜が仕事を教えてくれないし、変な事ばかり言うし、今度こそ仕事頑張るつもりでいたのに、もうなんだかバカバカしくて、気がついたら涙が溢れてた。」




「俺のせいなのか。」


「そうだよ。聖夜のせい。」


声を上げて泣いてしまった。



「泣きたいだけ、泣けよ。」



訳が分からないまま、聖夜の胸を借りて泣き続けた。


何やってんだろ、本当に。



自分でもどうしたいのか、分からなかった。


聖夜のせいにして泣いたけど、何だか恥ずかしくて顔があげられない。



このままでいる訳にもいかず、どうしたらいいのだろ。


誰か助けて下さい。