宅配事業は聖夜と私が主にやる事になった。


父さんもこのコンビニのフォローに、何日か入ってくれるらしい。


でも本当の理由は、母さんが勤まるか心配なのだ。



兄も姉もずっとコンビニの仕事を手伝って来たので、何も心配いらない。


先ずはインターネットで宅配をする事を流し、後はチラシを配る事にした。



聖夜は何をやらせても完璧にこなす。



聖夜は学校に行かなくて大丈夫なのか、心配になるよ。



その日、聖夜とマンションに帰り、詳しく聞こうと思った。



だけど、クタクタに疲れてしまい、シャワーを浴びた後の記憶がなくて、目が覚めると朝で聖夜はもうベットの中にはいなかった。



美味しそうな匂いに誘われて、ダイニングに向かうと、聖夜がオムレツを作っている。



「聖夜、ごめんね。昨日シャワー浴びた迄の記憶しかなくて。」


聖夜がいきなり振り返って、私を抱き締めた。


「昨日は驚いたよ。バスルームから中々出て来ないから、様子を見に行ったら倒れてたんだぞ。」


やだ、裸のままだったなんて。


ただの貧血だと思うけど。


昨日は忙しかったのと、色々な事が重なり、かなりしんどかった。


「良かったよ。」



「心配かけてごめんね。」



オムレツを食べようと言われて、すっかり聖夜に聞くことを忘れていた。



近頃聖夜は学校に行ってないと思う。


勇気を出して聞くと。


「ちょっと家で色々あって、学費が払えなくてさ。学校へは休業届けを出した。」


そんな大事な事を何で話してくれないの。


聖夜をボカボカ叩くと。



聖夜は何度もごめんと言った。



お母さんは仕事を辞めて、おばあさんの介護をしなくてはいけなくなったこと。


まだ、下にの弟と妹もいるし、聖夜はコンビニの仕事が好きで、父さんにこのコンビニを本気でやりたいと話したら、美莉を支えて二人で頑張れと言われたと話してくれた。



何でそんな大切な話を私のいない所でするかな。



「美莉は絶体反対すると思ったから。学校を辞めてまで、コンビニの仕事をしなくていいと、言うと思ったし。」



そうだね。


学校は続けてほしいと思う。


だから、余裕ができたら、学校に復帰はするつもりだと言ってくれた。


本当にバカなんだから。



でも、そんな聖夜がどうしようもなく好き。


誰でもない、聖夜がたまらなく大好きだ。



聖夜にありがとうと言って、抱きついた。


朝から積極的な美莉もいいけど、先ずは朝食を食べようと言う。


ちょっと、期待してしまった自分が恥ずかしい。


ずっと、ずっと、聖夜を好きでいたいと思った。