私がいきなり立ち上がると、隣に座っていた圭吾くんに止められた。



だって、私は何も聞いていない。



「美莉、落ち着きなさい。おまえに店長を任せたいと話した時、この話もしたと思うけど覚えてないのか。」


全く記憶にございません。



でもだよ、それにしても聖夜は何で私に話さないの。



聖夜を睨み付けると、聖夜はさらっと言った。


「少し前に話したら、店長もいいと思うと言ってたけど。」



嘘、全く覚えていない。



あ、あのとき。



聖夜が何か話してたけど、眠気に勝てず寝てしまった事があった。


次の日聖夜が言ってたっけ。


美莉は絶体賛成してくれると思ったと。


なんの事か分からなかったけど、適当に頷いた。


あのときの話がこんな大切な事だなんて、思わなかった。


「店長、大丈夫ですか。」



大丈夫じゃないけど、反対する理由もない。


人員が確保出来れば問題はないのだから。



え、嘘。


しばらくの間、兄と姉がコンビニに応援に来るらしい。


母さんまでも来るだなんて、あり得ないんですけど。


母も兄も姉も、私が真面目に仕事をしてるかを確かめたのだ。



もう、子供じゃないんだから。



ため息しかでません。


私は真面目に仕事をしてますから、安心してください。