みんなに休憩を取らせ、聖夜と二人でレジに入っていた。



「店長、頑張り過ぎは駄目ですよ。百合たちが休憩から戻って来たら、軽くでもいいから昼食を取って下さい。」



こんなに大変だなんて、本当に想像以上だった。



あんなに沢山発注したお弁当はほとんど残っていない。



直ぐに又、夕方のお弁当と飲み物の補充をしなくてはいけない。


コロッケとかも揚げないと不味いし。



百合ちゃんたちが休憩に戻って来ると、聖夜に無理矢理休憩を取らされた。



喉を何も通らないのでお茶を飲んでいると、聖夜が隣にどかっと座る。



目の前に出されたのは、コンビニで売られてるプリンだった。



「この店で一番売れてるスイーツです。」



美味しい。



「僕も腹は減ってるのに、食べられないから、サンドイッチを半分こしよ。」


このサンドイッチも美味しい。



自分のコンビニで何が美味しくて、売れてるのかも知らないなんて。



本当に店長失格。



「美莉、これから少しづつ覚えて行けばいいんだから。」



聖夜、あなたは本当に12才も年下なんですか。



疑いたくなるよ。


え、もしかして、私が知らなすぎるのか。



聖夜をチラチラ見ると、聖夜と目があってしまう。



美莉、仕方ないなぁ。



そう言って、聖夜がほっぺにキスをした。



本当は唇にしたいけど、社長もいるから後でねと、聖夜が囁いた。



うゎ、嘘。



父さんがいたことをすっかり忘れていた。



父さんの咳払いが聞こえた。



不味い。



聖夜は父さんにもかなり信用されているようだし。



まんまと父さんに騙されて、コンビニの店長を任されたけど、結局はこれで良かったのだと思った。



聖夜といると、凄いパワーを貰えるような気がする。


今迄の私なら、絶体逃げだしてたのに。



聖夜に出会えて、本当に良かったです。


百合たちバイトの子が帰った後、今日の反省会をしてると、父さんが重大発表をした。



圭吾君は新店の店長としての移動が決まり、このコンビニは店長の私と聖夜に任される事に。


聖夜はまだ学生だよ。



聖夜がどんな専門学校に行ってるかもしらなかった。


本当に大丈夫なのか。