聖夜が大きなため息をついた。




「百合、いい加減にしろよ。おまえは俺のタイプじゃないし、年なんて関係ない。好きになったら、年なんてどうでもいい事だろ。」



「今ダイエットしてるし、目がねもコンタクトに変えるから、私の事もう一度考えてよ。」



何、これって。



「おまえの外見をどうこう言ってない。俺は中身に惚れる。一目で分かるんだよ。こいつは俺のタイプ絶対落とすって。」



その時何故か、聖夜が私を見た。



その目は何ですか。



そんな綺麗な目で見ないでほしい。



聖夜は身長もあるし、顔も整っているイケメンだから、女の子が夢中になるのも仕方ないと思う。



「店長、聞いてます?」



私に近づいた聖夜の顔が目の前にあった。


30cmの身長差で、のぞきこんだ状態になってしまい、思わず後ずざりしてしまった。



「何逃げてるの。 レジ操作教えるから。レジ入る時、名札の下についてるバーコードスキャンすると、レジ担当者の名前が変わるから。お客様の年齢層のボタンも忘れず押す事。」



ちょっと、待って、次に行く前に、聞いてもいいかな。



年齢層って、どう判断すればいいの。



年令聞いたら、かなり失礼だし。


確認したいのに、聖夜は仕事内容を進めた。



「公共料金の支払いは、お客様が出した用紙をスキャンして、その時、お客様画面の確認を触って貰い、預かったお金を登録して、お釣りがあれば渡す。」



聖夜をずっと見上げた状態で、聖夜の説明を聞いていた。



覚え切れない。



レジ操作がこんなに大変だとは思わなかった。



いい加減な気持ちでは勤まりそうもないし、コンビニの仕事をバカには出来ないと思った。



肩凝りが半端ないくて足も疲れたから、明日から運動靴にして、しっかり働こうと。



こんな気持ちになった自分に驚きながら、少しだけ前に進めた気がした。



一歩づつでいいから、前を向いて歩いて行きたい。