あの日まで特に話したことも無かった隣のあの人、黒木って名前なんだ。


思いがけず名前を知れてホッとした。

・・・卒業間近だっていうのに、クラスメイトの名前を他から聞くようで良いのかとは思うけど。



「・・・そーなんだ。初めて知った」

「へへ・・・なかよく、してあげてね」

「気が向いたら」



俺の素っ気ない言葉に、"きぃくんらしいね" って笑ってくれる凜を見て


"冷たいよね、凜ちゃん以外には" って冷やかしてくる昂生たちを見て



この時間が永遠に続けば良いのに、って、俺は思った。