主役の二人を囲むようにして椅子に座り、全員がカバンを漁るシュールな図。



「はいっ、凜ちゃん、俺からのプレゼント!何が好きかわかんなかったからさ・・・」


"可愛いやつにしといた!" って、昂生が渡したのはたくさんの本。

小説と、動物の写真集が数冊。


これを選ぶため、俺は三日ほど本屋に連行された。


テーブルに置かれたそれを見て、彼女は嬉しそうに微笑む。



「かわいい、わたし、こういうの・・・だいすき、ありがと、昂くん」

「良かったぁー!暇なときにめっちゃ見て!」


大声でガッツポーズを決める昂生。
廊下から苦情来ても俺は知らないぞ。笑



「俺はこれ。しょぼくて申し訳ないんだけど・・・」



蒼が恥ずかしそうに出したのは、大量にプリントされた写真と、写真立て。


一緒に海に行ったときの写真、日常生活での何気ない写真、所々に綺麗な風景写真、・・・文化祭の写真。


"これ喜んでくれるかな" って相談されたとき、きっと喜ぶ・・・って、俺は返した。



「ありがと、うれしい・・・ここに、飾るね」



誰が置いているのか、お見舞いの花だけが置かれた横の棚を指さして言った凜。


良かった・・・今日はたくさん笑ってる。