布団の中から伸ばされた小さな手をぎゅっと握る。
「まえまでは・・・お父さんにあえるからいいかなって・・・未来もないこんな人生・・・いつおわったって構わないっておもってたけど・・・」
「・・・うん」
「いまは・・・っ、きぃくんにあえなくなるの・・・すごいやだ・・・っ」
「・・・っ」
凜が、泣いている。
初めて見たあの日以来の、凜の弱い部分。
小さな子どもが泣くのを我慢しているように、彼女もまた・・・体を震わせながら、嗚咽を漏らしている。
・・・悔しい。
凜がこんなに苦しんでいるのに、何も出来ない自分の情けなさが広がって、ただただ悔しい。
凜は俺を求めてくれる。
それに疑問を抱き、俺じゃなくても良いんじゃないかとか、どうして俺なんかに・・・って、ずっと思っていた。
それに理由なんか無かった。
俺が凜に居てほしいのと、きっと同じだと思うから。
「わたしきぃくんとはなれたくない・・・きぃくんがいないのはイヤ・・・しにたくない・・・」
『生きたいよ・・・っ』
胸がギュッと苦しくなったと同時に、俺の頬を涙が伝った。

