アンティーク


あの日から、約1週間が過ぎた。

「ふう」

実技の授業も終えてほっと一息つくこの時間、私は大好きなヨーグルトの飲み物を買いに大学内のコンビニに行こうと構内を歩いていた。

前を見ながらコンビニを目指していると、前の方に見た事のある人がいる。

その顔は、周りがぼやけて見える程美しく、ついその顔に見惚れてしまう。

「いけない……」

私はすぐに来た道を引き返した。

そして、適当に建物中に入ると、一旦歩くことを止める。

あの日から、将生さんにもレオくんにも会っていない。

会っていない、のではなくて会うことなんてできない、が正しい。

だから、今日久しぶりにその姿を見た。

太陽の光に照らされているレオくんの姿を。

たった数秒だった、その姿を見たのは。

なのに、私の頭の中を一瞬で埋め尽くし、その光景は消えてくれない。

それどころか、その私の頭の中の絵はどんどんと鮮やかさを増して、彼のことしか考えなくさせる。

「なに、してんの?」

せっかく隠れたと思っていたのに、私はバカだった。

なんでよりにもよって美術棟に入ってしまったのか。